『東京タワー』

★★★☆☆

原作を読む前に見てしまったなあ。しかし原作がきちんとしていて、それに沿ってつくってあるんだろう、落ち着いて見られるドラマに仕上がっていた。東京タワーは私にとってあくまで観光名所のひとつに過ぎないけれど、こうして人生を重ねてきた人たちのシンボルになるというのは想像できる。古き良き日本みたいな空気がふつふつと感じられて、それが嫌みではなく暖かなものに映ったのは、この物語が自伝であると認識していたせいだろうか。誰かの目から見た人生の風景があまりに美しく優しすぎるとしても、それは彼の人生が幸せだったと言うことを表しているのだなあと受け止められるからだ。押しつけがましく昔という「時代」は良かったのだと言われると鼻につくことも、こうして語られるといいものだなあ。本もきちんと読んでみたい。


東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~