デネブはささやき、そして私は矛盾に走った

ある週末、漫画を小脇に抱えてオタクを謳歌している私の目に、飛び込んできたんだ。ものすごくかわいいもんが。これは、これはなんだ? お前らかわいすぎだろ。かわいいにもほどがあるだろ。どんだけ自分たちのかわいさをわかってんのか? わかってやってんだろ? こにくたらしいにも程があるぞ……かわいいわこら!


それは電王のノートだった。画像が載ってるサイトへリンクを張ってみたけど、よく見たらデザインが違った。いくつかバージョン違いがあるんだろうか。みんなもっとかわいいポージングだったよ。これはいわゆるキャラグッズとかにあたるんだろうな。棚に一列に並んでいる様がまた一層のかわいらしさを主張していたのだけど、見れば1冊210円。全部買ったら1000円強かあ……こんなちっこいノートが。アニメグッズとかに魅力を感じた経験が薄いので、非常に高く感じる。いや、ポストカード1枚が150円とかするんだから安い方なのかもしれない。でも私にはためらわれた。どれかひとつを選ぶのもふんぎりがつかない。このちんまりしたキャラクター達を目の前にしてひとつ(ひとり?)を選ぶなんてことは、とても難しい注文に思われた。でも、私は、やつに気付いてしまった。



……だってな、これ1冊だけお小遣い帳なんだ。これは、どうみてもかわいいだろ?いーじゃん。すげーじゃん。どうでもいいけど、このフレーズは普通の文脈で使うともろ私の地元の方言ぽさがあって、あるいみしっくりくる。

ユウトハ スグ ムダヅカイ スルカラ…

すまん、悪いのはユウトじゃなくて私だ……無意味に罪を被りたくなる、デネブのけなげな台詞。

ユウトのばか!デネブがこんなにがんばってるのに!

ほんとにね……お小遣い帳とかはやっぱり節制するためのものだと思うんだよ。それに散在しているこの現実、矛盾、皮肉! とにもかくにも、今月はまだ10日しか経ってないのに、すでに漫画に1万円近くつぎ込んでいる現実と向き合えという話であって、ユウトを責める資格なんて私には、これっぽっちも、ないのだ。


ちなみに、私は『仮面ライダー電王』を見ていない。