『墓場鬼太郎』

友人に勧められて、1・2話を見たら、めちゃめちゃおもしろい! 堂本光一氏好きには親しみのある「ノイタミナ」枠でござんす。『ゲゲゲの鬼太郎』の前進作品らしい。

少年誌で連載される前の貸本版の『墓場鬼太郎』を原作とし、内容・キャラクターデザイン共に当時のものを踏襲した怪奇漫画風となっている。

細かい線は漫画をそのままアニメにしたようで、でも漫画より渋み深みを感じさせる色が味わい深い。“怪奇漫画風”という表現がぴったり。内容もシュールというのか、公式サイトで、

これが、大人の鬼太郎

と冠しているだけある、かわいくなさがクセになる鬼太郎

目玉の親父がかわいすぎる

かわいくないと言ったけど、絵の一見した渋さと反して、出てくるキャラの性格が実は相当にかわいい。鬼太郎は世間知らずさと悪顔の妙。ねずみ男は「怪奇大学“不潔学科”」卒と自称するような飄々としたキャラクターの妙。特に「目玉親父」のかわいさはハンパない。もはやあのキュートさはマスコットと言わず、アイドルと言って良いと思う。2話しか見てないのに、もう親父にメロメロである。いや、あれをみたらあのおとうちゃんのアイドル性にメロメロにならない方がオカシイ。おしげもないかわいさサービスの嵐にぜったいにやられることまちがいない。さあ、親父のためだけにでも見ろ!なぜか私が偉そうなのは気にしない!

おっさん祭り

いまのところ出てくるのはおっさんばかりで、実におっさんが見所のアニメである。逃げまどうおっさん、ためらうおっさん、たくらむおっさん、喧嘩するおっさん。そして墓場鬼太郎の育ての親? 会社員水木くんの乙女走り。これだけでも画的な華のなさが魅力だとよく解ってもらえると思う。

絶妙なOP

普通に良いところもおすすめしよう。本編を見るか否かは未定でも、とりあえずOPだけでも見てみて欲しい。鬼太郎のイメージを覆されるんじゃないかな。あのアニメがどんな方向性なのか、イメージする材料になる。少なくとも『ゲゲゲの』鬼太郎でないことはよくわかる。私はあのOPに「してやられた」と感じた。とりあえず友人に勧められたから見てみよう、というところから自分で「これはおもしろそうだ」と期待するきっかけになった。イメージと違うようでよくあってる。ささやくような声とあのリズム感は、クセになる。格好良いOPだと思う。